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Ib フレグランス イヴ
可憐に咲く赤いバラと共に 無垢を伝えるピュアリーフローラルノート
あまずっぱいアップルがもたらす幼い雰囲気と共に、ひっそりと甘さを漂わせるアネモネ。 Bergamot, Apple, Green Note Anemone, Osmanthus, Red Rose Patchouly, Cedarwood, Agarwood
商品サイズ:86mm×55mm×29mm この商品のレビュー
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このような香水はほとんど使用したことのない初心者です。
そのためレビューが分かりにくかったり、説明に不備があるところなども多いかと思いますがどうぞご容赦ください。 まずビニールの封を切った瞬間から箱からリンゴのようなフルーティな匂いが漂います。それを更によく嗅いでいくとその奥からふんわりとしたフローラルな匂いを感じることができました。薔薇のような華やかなフローラルさではなく可憐だが素朴な花束のような香りです。 恐らく最初に感じるのがトップノートのAppleで次のフローラルがミドルのAnemoneでしょうか。 瓶自体もIbの世界観とマッチしており、香水自体に淡いピンク色がついていて見た目にもとても可愛らしいです。箱を開けた瞬間先程から香っていたフレッシュなリンゴの香りが強く漂います。 手首につけてみるとリンゴだけでなくわずかに混ざるオレンジ系の香りにも気付くことができます。おそらくBergamotの香りでしょう。このわずかなシトラス感がリンゴのともすればくどくなりそうな甘い香りを少女らしく軽やかに纏めあげています。 10分〜15分ほどで香りに変化がみられ始めました。おそらくトップノートが薄らぎミドルノートが立ち始めたということなのでしょう。外箱のときわずかに感じたフローラルな香りが強くなっていきます。そしてそのうちにフローラルな香りにもいくつか層があることに気が付きます。 真っ先に感じるのは箱からも香っていた優しい甘さのAnemoneですが、その奥にRedRoseの華やかな香りを見つけます。その赤薔薇の香り自体は自己主張が強くなく、あくまでも花畑の奥にひっそりと、しかし確かにその花弁を綻ばせているかのようです。 そしてその二つの香りを纏めあげるもう一つの花の香りにどこか覚えがあったため説明ページを見たところOsmanthus(木犀)の文字を見つけハッとしました。 確かに近くを通った時に思わず振り返るようなこの香りは木犀の香りです。個人的には金木犀のゴージャスで衆目を集めるような豪奢な香りというよりも銀木犀のような淡く可憐な香りに近いと感じました。その淡さはまるでイヴの持っているレースのハンカチを彷彿とさせます。レースのハンカチに薔薇とアネモネの花弁を包み込んだような、繊細で優しい香りのミドルノートです。 そこからさらに15分ほどで再度香りに変化がみられます。ラストノートでは香りから甘さが少し抜け、代わりにどこかエキゾチックさも感じるような落ち着いた香りになります。今までのような花の香りよりもどこか森を思わせるような清涼感のある匂いです。Cedarwood(針葉樹)の匂いでしょうか。 Cedarwoodを検索すると『甘くスパイシーな香り』という記述がよくみられますが、この時点ではスパイシーさは抑えられているように感じました。ともに調香されているAgarwood(沈香)の効果かもしれません。沈香といえば最高級品は伽羅という名前で金より高価で取引されたという香料です。甘さを持った線香のような香りとも評されるため、おそらくエキゾチックでオリエンタルな雰囲気を醸し出しているのはこのAgarwoodによるものでしょう。 またPatchouly(パチュリー)の土を思わせると評される香りもスパイシーさを抑えることに一役買っていると思われます。 森の中、木漏れ日とともに先ほどまで迷い込んでいた花畑の側で座り込み休憩をとるイヴの姿が見えるようでした。 トップノートで強く感じた瑞々しいリンゴの香りが幻のように感じるほど落ち着いた雰囲気になります。 静かな春の森の中、周りに銀木犀の香りが漂うアネモネの花畑。その中には決して自ら前に出ることはなくとも美しく咲き誇る日を待つ一輪の赤い薔薇がその蕾を開こうとしている。ピクニックにでも来たのか森にやってきた一人の少女が近くの木陰に腰を下ろし昼食の代わりに持ってきたリンゴを食んでいる。甘酸っぱいその赤いリンゴを食べ終わるころ、少女は花畑に足を踏み入れる。あたりに立ち込める淡い花々の香りと、まだ完全には花開いていない赤い薔薇の香り。少女はその花園を『友達』に教えようとまた森の中に入っていく…… そんな香りでした。 まとめると、トップノートでは甘さと愛らしさが目立つフレグランスですが、ミドル→ラストと次第に落ち着いた甘さへと変化していきます。 そしてミドルノートが完全に消えるとシダーウッドや沈香、そしてパチュリーによるまろやかな甘さとわずかなスパイシーさが残ります。愛らしさよりも清廉さを感じる香りで、可愛らしい服装だけでなく様々な恰好に合わせることが出来ると思います。 トップノートではイヴの外見の愛らしさやウサギやオムライスを好む可愛らしさ、ミドルノートではレースのハンカチを持っていたり家族で美術館を訪れたりというイヴの可憐さや清楚な雰囲気、そしてラストノートはイヴの大人しくしかし気丈でどこか度胸のある性格を表しているようで、キャラクターグッズとしても満点の出来栄えです。
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